辻堂が誇るスペシャリティコーヒー焙煎の人気店が、2016年新たにドリンクスペースを併設した焙煎工房「CORNER」をつくるということで、内装の企画段階からご相談いただきました。オーナー葛西さんのご希望は、清潔で気持ち良い空間、デリケートで厳選されたコーヒーそのものを引き立てる空気感、焙煎工房自体の雰囲気をコーヒーと一緒に味わっていただける空間、そして、女性のお客様に気軽に来店いただける店舗にしていきたい、というものでした。
そこでコンセプトを「キッチンアトリエ」とすることから計画が始まりました。ちなみに本店であるコーヒー豆の販売店は「LABO」といコンセプトです。

まず、設置される機器の仕様確認とスタッフの動線、お客様の動線をイメージしつつ機能面を固めたら、「キッチンアトリエ」のイメージを膨らませ、具体的なデザインに落とし込みます。香り高いコーヒーを楽しむ空間ということで、天井や壁、什器の基調となる色はシンプルなホワイトで、カウンターや棚板の一部、ベンチなど目線より下の面で見えてくる部分を特徴的な木材の色で引き締めるという方向性になりました。
最も重要になるのが、ポイントカラーにもなる中央のアイランドカウンターの天板です。空間全体の中で見えてくる色の量、コーヒーという商材との相性を考え合わせて、厚み7cmあるアフリカ産のイロコ材を選びました。イロコはラフに仕上げても良し、パリッと仕上げても良し、表情豊かな材料です。カウンターのフレームは空間が軽快に見えるように木材白塗装、金属メッシュパネルで構成していますが、この組み合わせ、場合によってはDIY的で軽い感じになってしまう素材感ですが、イロコの天板のおかげで、適度に重厚感を出し、品のある雰囲気を醸し出すことができたのでは？と思ってます。また、カウンターに設置される各マシーンの機能美も引き立てることができました。

葛西さんが現地まで赴いて仕入をされる極上のコーヒー豆。そのこだわりの詰まったコーヒーを畏まらずに楽しむためのスペースをつくる。デザインの企画提案から完成まで楽しみの尽きないお仕事でした。

トイレ・洗面所の内装デザインを依頼されることが増えました。
コラボレの家具が醸し出す、くつろぎの空気感、心地よさ、ちょっとだけ非日常的な雰囲気をトイレ空間作りのデザインに期待されているようで嬉しいことです。トイレがくつろぎの空間として、デザイン面でとても大切な場所であると実感しています。その家、その施設の空気感を壊さないように、そして快適で清潔な空間をつくることを心がけています。